米国企業を遠隔で買収/経営する

海外進出は魅力の反面、実現させるためには多くの国際間ハードルをクリアしなければなりません。
当社では「ターンキーM&A」というサービスで、日本から遠隔でのマネジメントを提供することで、顧客のアメリカ事業実現をサポートしております。

「ターンキー」の意味

用語の定義

ターンキーM&A・・・M&A仲介と継承作業を組み合わせた複合サービスのタイトル(臨時経営者派遣含む)
M&Aフェーズ・・・ターンキーM&Aのなかで買収契約のクロージングまでの部分
経営フェーズ・・・ターンキーM&Aのなかで継承作業(臨時経営者派遣含む)の部分
臨時経営者派遣・・・現地のスタッフを継承作業に3か月程度入れる工程
マネジメントサービス/経営サポート・・・継承後の任意の継続的なマネジメントサポート

そもそも「ターンキー」という言葉の意味は下記の様に説明されています。

ターンキーまたは設備一括請負契約とは顧客が鍵を回すだけで設備の稼動を開始できる状態で受領できる契約の形態。 自動車の専門知識が無くても、キーを回す(ターンは回すという意味)だけでエンジンが始動し取り扱うことが出来る様な契約や設備という意味である。
引用;wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/ターンキー

転じてM&Aの現場では、 購入者が鍵を回す(つまり指示を与える)だけで運用できる状態で提供される買収サービス という意味で用います。

当社が提供する「ターンキーM&A」

当社のターンキーM&Aサービスは、アメリカ買収案件を国際間取引であることのリスクを解消したうえで、カギを回すだけの状態でクライアントに海外M&Aを提供します。

大まかに、通常の海外M&Aサービスに加えて下記が付加されている特徴があります。

  • 購入前段階でのオペレーションプランの立案
  • 買収後の臨時経営者派遣
  • 現地人によるPMIコーディネート
  • 遠隔管理方法の確立
  • 新経営者リクルートおよび育成
  • クロージングサポート

各フェーズ事のサービス詳細
M&Aフェーズのサービス

経営フェーズのサービス

海外進出にターンキーM&Aが適している理由

ターンキーM&Aは、その性質から特に海外進出を行う際に非常に強い効果を発揮します。本章ではその理由を、クロスボーダーM&Aのリスクとリターンという観点から解説いたします。

M&Aは海外進出に有効

まず、海外進出に際しクロスボーダーM&A (海外M&A) という手法が非常に有効であることは広く知られています。

既に稼働している事業から様々な経営資源をそのまま得ることができる為、新たな国でゼロから立ち上げるのに比較し手間や時間を大きく低減することができるからです。

また、 前期までの実績が実数値としてあらかじめ確認できるという、新規市場参入者にとってこの上ないほどの強みもあります。

しかしそこには海外取引特有のリスクが…

しかしながら、クロスボーダーM&Aには大きなリスクが存在します。
これは「日本企業が行う海外M&Aはその90%以上が失敗である」と揶揄されるほど深刻な問題です。
理由は主に下記が挙げられています。

1.創業者の経営スタイル継承失敗
2.現場スタッフの人事コントロール失敗
3.顧客・取引先との関係継続失敗
4.海外事業を維持成長できるマネージメント人材不足

通常、M&Aプロセスにおいてこれらリスクは主にPMI( Post Merger Integration)と呼ばれる、統合・継承プロセスの際に具現化し対策が講じられます。

しかしこの作業に「国際間のビジネス慣習差」という要素が加わるため、国内M&Aには無い困難な状況が生まれます。

・創業者は、外国人に事業の動かし方を手取り足取り教えてくれるでしょうか。
・急に上司が外国人になって、従業員の労働意欲は保てるのでしょうか。
・急にオーナーが外国人になって、仕入先はこれまで通り信用取引してくれるでしょうか。
・急にオーナーが外国人になったお店に多くの顧客は変わらず通い続けるでしょうか。
・自社から派遣した駐在員は、外国人というハンデを乗り越え創業者と同じレベルで現場管理できるのでしょうか?

これらの困難な問題を解消しなくては、失敗事例と同じ轍を踏んでしまう可能性が高いのです。

しかし裏を返せば、これら失敗理由を解消することが海外M&Aの成功率を高めることであるとも言えます。

失敗理由を取り除くことが成功への道

ターンキーM&Aでは、継承プロセスも含めて現地スタッフのサポートがあります。(まさに鍵を回すだけの状態で引き渡します。)

つまり継承実務を行う際に、現地人スタッフがその矢面にたつのです。

その為、前項で挙げた失敗理由を根底から取り除くことが出来るのです。

・創業者と同じビジネス文化をもつ臨時経営者は、創業者からより多くを吸収します。
・労働者にとって買収後しばらくは現地人上司です。徐々に意思疎通する時間が生まれます。
・仕入先・顧客から見ても、買収後しばらくは 支配人が交代しただけです。徐々にひとつづつ新体制を馴染ませるための時間が生まれます。
・創業者および創業者から多くを吸収した臨時経営者が、駐在員をトレーニングします。つまり駐在員が成熟するための時間が生まれます。

このようにターンキーM&Aでは、 継承実務に現地人マネージャーが介在することで継承時に国際間ギャップを生じさせません

さらに従業員・仕入先・顧客・自社駐在員が新体制に馴染むまでの時間を得ることが出来るのです。

失敗理由を取り除きより精度の高い海外M&Aを提供する。それが当社のターンキーM&Aサービスの意義なのです。


ターンキーM&Aで受けられるメリット

国際間のリスクを解消

国際間ビジネス文化の違いは様々な場面で露呈します。

ワークライフバランスの違い(家庭の都合で一週間欠勤する場合を受け入れられますか?)
意思決定プロセスの違い(現場の自由意思が尊重され日本より早いです)
リスク管理に対する意識の違い(「多分」を「Yes」と言い切れますか?)
コミュニケーションに対する姿勢の違い(ロジカル&ダイレクトな対応についていけますか?)
ナショナリズム(自国製品と他国資本製品では顧客はどちらを選ぶでしょう?)
排外思想(反日感情のある外国地域も多くあります。)

このような国際間のビジネス慣習の差は、企業が海外進出を行う上で最もと言っていいほど高いハードルです。
この違いを無視して進めたクロスボーダーのプロジェクトがこれまで多く失敗に終わってきました。

ターンキーM&Aでは、現地在住の現地人スタッフが買収後の環境を整える為、継承時に上記で挙げたような国際間のギャップによるリスクが存在しません

徐々に時間をかけて新体制を浸透させてゆくことに、ギャップ解消の秘訣があるのです。

駐在員不足を解消

海外進出するうえで、多くの企業が頭を抱えているのが海外の駐在員の育成です。

ここ数年で海外赴任希望者の求人募集の数が1.5倍になったとも言われておりそもそも海外展開企業のニーズに対し海外駐在員そのものの数が足りていません。

また、自社社員への海外赴任指示は高確率で退職の引き金になるとも言われています。

なにより、海外事業のマネジメントは高度なマルチタスクを要する為、それだけの能力を有する人材が育成されていなければなりません。

ターンキーM&Aでは現地に精通したマネージャーおよび事業内容に適した専門チームが継承プロセスを引き受け臨時的に稼働させます。

さらに稼働させつつ、現地新経営者候補のリクルート及びトレーニング、または、日本企業からの駐在員のトレーニングが可能ですので、日本企業が抱える人材問題を解消させます。

日本企業が行うことは、唯一、依頼するマネージャーとチームが信用に足るものかどうか見極める作業のみです。

アメリカ支社をリモートで

通常、海外進出には、法務・税務・インフラ・人材・取引先・顧客などあらゆる経営ソースを新たに整備しないとならない為、多大なる労力を要します。

また、このためには経営陣(または経営陣と同等の能力を有するマネージャー)が実際に現地に長期間常駐する必要もあります。

意思決定権者が現場にいなくてはスムーズに展開できないからです。

ターンキーM&Aは、 継承時や買収後の運用フォローなど「カギを回すだけ」の状態まで現地スタッフのサポートがある為、日本にいながらの遠隔買収・遠隔経営を可能にします。

これにより経営陣はこれまで通り、日本にいながら国内に注力しつつリモート(遠隔)で海外事業を立ち上げることが出来ます。

アドバイザーが同じ目線で買収後を考える

通常M&Aにおいては、アドバイザーやブローカーはその後の運営については責任の範囲外で有る為、極論ですが、彼らは買った会社がその後どうなろうと知ったことでは無いわけです。

ターンキーM&Aの場合、「買収時のアドバイザー」イコール「買収後の運営管理」でもあるわけですから、そもそも計画時点で

国際間取引のハードルが高い案件は受託しない

自身で購入するかの如く全力で有利な条件を引き出そうとする

という道理になります。


ターンキーM&Aの実務一覧

M&Aフェーズ

Pre-Acquisition  買収の事前準備

初期コンサルテーション
イニシャルヒヤリング・面談などでニーズに対する戦略を打ち合わせ
ターゲット選定
クライアント様のご要望に合わせた案件を選定
ターゲットアプローチング
売主サイドへのコンタクト及び簡易案件情報レポートの提供
現地訪問
クライアント様をアテンドし現地訪問および売主面談
オファー前デューデリジェンス
面談および更なる財務諸表・税務申告書等からDDレポートを提供
ファイナンスコーディネーション
ご希望の場合、クライアント様財務状況と買収希望案件からファイナンスプランを作成
買収後オペレーションプラン策定
買収が成功した場合の引継ぎ計画とオペレーションプランを事前に策定

Negotiation  買収交渉

買収交渉&オファー
買収意思が固まり次第、条件を売主サイドと交渉・オファー
基本合意書(LOI)の締結
M&A弁護士のガイダンスの下に基本合意書 の作成・締結をサポート
オファー後デューデリジェンス
より現場に近い細かな調査と評価を行いDDレポート提供
最終交渉
オファー後DDをもとに売主サイドと詳細条件の交渉
最終契約書の締結・クロージング
M&A 弁護士のガイダンスの下に最終売買契約書の作成・締結をサポート

経営フェーズ

Post-Acquisition  買収の事後業務

臨時経営者派遣
当社現地スタッフを派遣し、前オーナーから業務を引き継ぎ
PMI(Post Merger Integration)コーディネート
統合・継承が必要な経営資源を明確にしレポート作成・交渉・整備
意思決定ラインおよび管理方法の確立
報告内容および報告周期・会議方法・経営陣へのリクエスト方法など日本からの管理手段の確立
新経営者(新事業運営責任者)リクルート
現地ビジネスに適した新経営者の採用を実施
新経営者(新事業運営責任者)トレーニング
新経営者候補またはクライアントが自社から派遣した駐在員のトレーニング
当社サービスの完遂
当社のサポート体制の終了。新経営者とクライアント様による事業運営の開始

Management service  経営サポート(任意のサービス)

経営コンサルティングサポート
現地の定期視察およびコンサルティングレポートを作成
臨時経営者の派遣(延長)
必要に応じて、臨時経営者による継続サポート
多角化支援
既買収ビジネスとのシナジーも含め多角化展開に適した案件の検討をサポート
クロージングサポート
買収したビジネスを再度販売するためのサポート

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