アメリカは大麻合法化の波に伴いM&A市場でも大麻案件が急増中

アメリカではすでに多くの州で、医療用目的での使用合法化、そして娯楽目的でも使用合法化されています。大麻産業の急成長ぶりは著しく、コロナの影響をほとんど受けず、むしろコロナによって成長に拍車がかかったほどです。

コロナの影響を受けなかった「大麻産業」

コロナによって、たくさんの業界や分野の企業が経済的なダメージを受けました。しかし、全ての企業がダメージを被ったわけではありません。中には、コロナ禍でも成長を遂げることができた業界もあります。アメリカの大麻産業も、そうした業界の一つと言えるでしょう。

以前、大麻は違法薬物として扱われてきました。しかし、2021年現在、すでに36つの州で医療用目的の使用が合法化されていますし、18の州においてはレジャー用の使用も合法となっています。大麻産業の急成長はグリーンラッシュと呼ばれており、アメリカ国内では最も注目されている成長株の業界です。

ちなみに、コロナ禍において、食料品の販売に携わる企業や医療関係者は、エッセンシャルワーカーに分類されました。この大麻産業もまた、エッセンシャルワーカーと分類された職種の一つです。これは、いかに大麻がすでに多くのアメリカ国民の生活に深く入り込んでいるかを示しています。

大麻の売り上げは過去最高

大麻の売り上げは、合法大麻の部分だけを見ても175億ドルの売上高を誇り、2021年には前年から46%も増加しています。日本の産業に例えるなら、日本のたばこ産業の売上高に匹敵するほどです。合法化されてからそれほど期間を経ていない大麻ですが、その成長率は著しく、多くの投資家や企業もビジネスチャンスを狙っています。

大麻産業の急成長の背景には、コロナの影響もあります。コロナ禍において、多くの人が自宅待機やリモートワークを行い、自宅で過ごす時間が多くなりました。外出できないストレスが溜まり、家庭内暴力の件数も増えてしまったのです。そんな中で、精神をリラックスさせる作用を持つ大麻を利用する人が増えたことが、産業の成長につながりました。

大麻の使用が合法となっている州において、既に成人の約40%は大麻をお酒のような感覚で使用しているという統計があります。今後もその利用率は増加すると考えられており、現在のアメリカにおけるアルコール浸透率の60%に、近い将来、追いつく勢いがあります。

より消費者に親しまれる大麻食品

大麻の使用方法は、大麻の花や葉を乾燥させて吸引するというのが一般的です。しかし、これまで大麻と関わりを持たない生活をしていた人にとっては、具体的に何をどうすれば良いのか、分かりづらいものです。そうした人のために、大麻産業や食品産業では、より摂取しやすく大麻のメリットを享受しやすい「大麻食品」なるものに注目しています。

大麻食品とは、食用大麻を使い、ブラウニーやクッキーなどのお菓子に配合したものです。食用大麻の風味を生かしたスイーツもあれば、大麻だと意識せずに摂取するタイプの食品などもあります。大麻がすでに合法化されている地域においては、今後バラエティ豊かな大麻食品が販売されることが予想されており、将来的にはアマゾンなどのネットショップでも、大麻食品を気軽に購入できる日がやってくるかもしれません。こうしたニーズの増加に伴って、大麻産業でもM&Aが活性化すると考えられています。将来的には、グローバルなM&Aの可能性も期待されており、多くの企業が参入のチャンスをうかがっています。

大麻産業の懸念

大麻産業の急成長に伴い、一般消費者が気軽に大麻食品や大麻を購入できる日はすぐそこまでやってきています。その中で注意しなければいけないのは、合法化されたと言っても、大麻はあくまでも成人向けのし好品であるという点です。クッキーやブラウニーのように、小さな子供も気軽に食する食品やスイーツの中に大麻を混入すると、子供がうっかり大麻食品を食べてしまう危険性もあります。もしも家庭で大麻食品を楽しむなら、そうした管理や対策についても、世帯ごとに話し合う必要があるかもしれません。大麻食品を製造するメーカーも、子供がうっかり食べてしまわないような工夫をパッケージに施す必要があるでしょう。

大麻関連のM&A案件でも、さまざまな業界がM&Aの可能性を模索しており、今後は消費者の安全性や嗜好性をどちらも満たせるような画期的な大麻関連企業が作られることが予想されています。

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