中小零細企業(スモールビジネス)の企業再生に必要なこととその工程

皆さん、こんにちは。

今日は、中小零細企業(スモールビジネス)の企業再生についてお話したいと思います。

※アメリカのスモールビジネスに限った事情もありますので、日本の大企業様や中堅企業様には関係のない話かもしれないことご理解いただければ幸いです。また日本の中小零細企業に対してアメリカと同様であると勘違いした失礼な記載などがありましたらご容赦ください。

ちなみに、スモールビジネスの定義は、年商が日本円で約40億円以下もしくは従業員500人以下(業種によって異なりますが)の企業をいい、アメリカでは99.7%の企業がスモールビジネスです。

さて、私たちの経験上、スモールビジネスを再生し売上や利益を倍増させるために必要なことをお話しさせて頂きます。

まずその第一工程は現状を把握することです。

大企業や中堅企業には、現状(ビジネスサイクルの全体像など)を把握できるだけのスタッフが十分にいらっしゃるでしょう。そのため、リーダーもどのような方向に舵を切るべきかが見えやすく構築されています。大企業や中堅企業の企業再生がスムーズにいく場合が多いのは、このあたりに要因があるのではないでしょうか。

しかし、スモールビジネスでは全体を把握しているスタッフが十分でない場合が多いです。そもそもスモールビジネスには現状把握の為だけに人員を確保(事業分析チームのような存在)するのは現実的ではありません。

そのためこの役割を担うのは現責任者(社長)ということになります。企業再生を円滑に進めるために現責任者は、ビジネスサイクル(資金繰り、販売サービスまたは販売商品の品質管理、営業マーケティング、売上管理、コスト管理、経理、従業員管理、総務、利益創出等々)の全てを自ら分析および業務実行しなければなりません。これは当然決して簡単なことではありません。

現状を把握したら、第二工程はビジネスモデルの見直しです。

時代の流れに乗るためにビジネスモデルは随時変化を遂げる必要があります。恐竜にならないためにも、特にスモールビジネスは時代の流れに敏感である必要があると思います。

もちろん、昨日まで町の電気屋さんを営んでいた人が、明日からガソリンスタンドを始めようという話ではありません。再生を余儀なくされるような状態のスモールビジネスであっても長年の業界経験とネットワークがあるはずですので、それらを有効に用いながら競合が少ないニッチな分野を見つけようということです。スモールビジネスは、どうしても大企業に対して競争力で劣ってしまいます。なるべく競争相手が少ない分野を探すことが理想であると言えます。

第三工程は、見直したビジネスモデルのリーダー自身による実践です。

スモールビジネスの経営者やリーダー自らが、新しい製品や販売経路、マーケティングを構成し、ビジネスモデルを構築させなければなりません。この部分は単に営業部に任すわけにはいきません。会社が困っているときに経営者自らが率先して売上をつくる必要があることもさることながら、新しいビジネスモデルの効果を自ら確認・検証・修正しなければならないからです。

また例えば「自分の会社には良い人材が来ない」と言うリーダーが良くいますが、その場合そのリーダー自身に魅力が無いのだと思います。リーダー自らが新ビジネスを構築し、自ら売上をつくり、自ら資金を調達する、そんな格好良くて魅力的な会社にはおのずと人材は集まります。

さて、新しいビジネスモデルの成立が証明できたのであれば、第四工程は、資金繰りです。

スモールビジネスの問題としてよく挙げられるのは、資金不足と人材不足です。しかし、実は大企業も中堅企業も同じなのです。大企業だからヒト・モノ・カネに困らず成長し続けているわけではありません。大きな単位のビジネスを行うにはそれに見合う資源が必要であり、ヒト・モノ・カネの確保はビジネスを行うもの共通の課題なのです。スモールビジネスのリーダーは、経営悪化を資金不足と人材不足のせいにしてはいけません。

第三工程でリーダー自らが売上をつくるべきと述べたのは、この資金繰りの為でもあります。また、新たなビジネスモデルで売上が作れることを実証することにより、様々な方面からの資金調達の道も開けてきます。

上記の四工程を始めたするスモールビジネスの再生ですが、やるべきことはこれ以外にもおそらく1,000以上あると思います。それだけ再生業務は大変なことなのです。倒産した方が楽なくらいに。しかし、この大変さを楽しめる人こそが、大笑いしながら前に進んでいくのだと思います。

実は私たちが、スモールビジネスの再生において最も重要だと思うのが、こういった難題に対しても毎日笑いながら取り組んでいける姿勢なのです。その強靭な精神こそが、膨大な作業を順々にこなす実行力となり期間内に再生を実現させるのです。

さらに、ビジョンを持ち、関係者(クライアント、取引業者、従業員など)にメリットを提供できるリーダーは、企業再生だけでなく、その組織をスモールビジネスから中堅企業にステップアップさせることができるかもしれません。

私たちのサービスでスモールビジネスを再生させた場合にもこのようなケースは実際にありました。

私たちは、前述のように熱意をもって再生に取り組みました。なかなか大変なプロジェクトでしたが、それ以上に楽しみも多くありました。自慢ではありませんが、着手前に数億円程度だった売上を10倍以上にできたこともありました。運がよかったということもありますが、強いビジョンを持って思い切り走っていたからこそだと思います。

近いうちに、私たちのビジネスビジョンに対する思いを数回に分けてお話ししたいと思っております。

どうぞお楽しみにしていただけますと幸いです。