米国中小企業庁(SBA)が行うEIDLとは?

米国中小企業庁(SBA)では、コロナ回復時期における中小企業支援プログラムとして、COVID EIDLという融資制度を提供していました。低金利でSBAから直接融資を受けることができる他、2年間の返済免除猶予があるなど、多くのメリットがあったため、多くの企業が利用しました。

※現在では、新規の受付が終了していますが、M&Aの際などの企業情報・財務諸表に多く登場するため携わる者は内容を把握しておく必要があります。

EIDLは中小企業向けの融資プログラム

米国中小企業庁(SBA)が手掛ける支援制度には、たくさんのプログラムがあります。コロナ以前から存在していた制度もあれば、コロナ禍において制定されたもの、そしてコロナ回復期になってから制定された制度もあります。その中の一つであるEIDLは、コロナ禍においてはCOVID EIDLと呼ばれていて、複数のプログラムによって中小企業を支援しています。

EIDLの特徴

1つ目の特徴は、多言語に対応している点

SBAへ申請する書類に関しては、英語でなければいけないというルールがあります。しかし、支援制度に関する説明や資格要件などの情報提供の部分では、英語以外にもスペイン語やアラビア語、ドイツ語やフランス語、中国語など、17の言語に対応しています。日本語もその言語の一つとなっており、EIDLに関する詳細な情報が説明されています。

2つ目の特徴は、申込期間の期限が決まっているという点

COVID-19経済的障害災害ローンについては、目安となる期限は2021年12月31日までです。ターゲットEIDLアドバンスのプログラムは、12月31日以降の新規申し込みは受け付けていないものの、既に申請をしている書類の再審査請求などは可能です。

補足:ターゲットアドバンスプログラムは、2021年12月31日を過ぎると、新規申請だけでなく、再検討の要請なども含めて、一切の申請ができなくなってしまいまうようです。支援プログラムの利用を考えている企業は、できるだけ早めに申請する必要があります。

3つ目の特徴は、EIDLはSBAからの直接貸与されるローンという点

他の金融機関を紹介される、あるいはSBAからの承認があればディスカウントされた金利で融資を受けられるというタイプの支援ではありません。国の機関であるSBAから直接支援を受けられることは、中小企業にとって大きな安心感と言えるでしょう。

4つ目の特徴は、EIDLは貸与なので、返済の必要があるという点

コロナ禍における中小企業支援策の中には、一定の条件を満たせば返済が免除されるものもあります。しかし、EIDLに関してはそうした免除措置はなく、30年のローン期間の中で返済が必要です。金利は、民間企業なら3.75%の固定金利での融資となり、非営利団体だと2.75%の固定金利での融資となります。

5つ目の特徴は、利息免除期間が設けられている点

ローン期間はこの免除期間の2年間も含めてトータル30年となっており、免除期間に返済を行っても、ペナルティなどはかかりません。

6つ目の特徴は、少額の借り入れに対しては無担保で融資を受けられるという点

融資金額が25,000ドルを超える場合には担保が必要となり、200,000ドルを超える場合には個人保証が必要となりますが、それ以下の借り入れなら、担保や個人保証は不要です。

7つ目の特徴は、アフィリエイト系ビジネスでも利用が可能な点

ビジネスの所有権50%以上を持つビジネスオーナーなら、EIDLプログラムによる支援を受けられます。

Covidの現状に合わせて調整

EIDLプログラムは、Covidの現状に合わせて制度そのものが常に見直され、必要な調整が行われています。例えば、COVID EIDLが制定された当初の最大融資上限は50万ドルでしたが、もっと大きなニーズを持つ企業が多いため、上限200万ドルにまで引き上げらたという経緯もあります。

融資の使用用途も拡大され、公的機関・民間企業を問わず、債務の支払いや前払いなどに充てることも認められています。

ですのでCovidの状況により今後も変化や再開の可能性があるかもしれません。

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