M&A先進国アメリカのM&A市場の現状と今後の展望について

コロナ下の現状においてアメリカのM&A市場はどうなっているのでしょうか?

そしてコロナ後ではどのような展開が予想されているのでしょうか?

間違いなく変化していく市場の動向を見据えつつ今後の展望を見極められるかがアメリカ進出における一つのポイントになってくるでしょう。

新型コロナの影響はアメリカM&A市場にも

日本と比べて比較にならないくらい活発で規模も大きいと言われるアメリカのM&A市場。

それだけに新型コロナウイルスの影響も甚大と言われています。

今回のパンデミックがこれだけ経済に大きな打撃を与えているわけですから、当然M&A市場への影響も少なくないことが推測されます。

特徴的なのは「買い手」と「売り手」の変化

現在のアメリカのM&A市場の特徴としてまず挙げられるのは「買い手」と「売り手」の変化でしょう。

売り手の方は経済的な苦境に陥った結果の資金調達の手段として、あるいは事業の清算のためにM&Aを選択する傾向が見られる一方で買い手側はむしろチャンスと見ている傾向が見られるのです。

極端に言えば売り手側は経済的に追い詰められ、買い手側はそれをチャンスと見て積極的に資金を投入するという図式が見られているのです。

経済的に厳しい状況であれば本来よりも安い金額で事業を売却しなければならないケースも出てきますから、買い手側からするとチャンスにもなるわけです。

友好的買収への意識が変わる

アメリカのM&Aは「Win-Win」の関係を前提にしたものが多いとよくいわれます。

日本のように大資本がお金にものを言わせて企業を傘下に入れる、あるいは敵対的買収のような買い手の方が圧倒的に大きな利益を得られるというイメージは希薄なのです。

しかし今回の新型コロナウイルスは、「売り手」と「買い手」の意識=つまり関係性を変えてしまい、このようなアメリカのM&A市場の傾向に影響を及ぼす可能性も指摘されています。

買い手にとっては追い風なのか?

実際問題として景気が後退している時期のM&Aは景況の時期に比べて株主の利回りが高くなるというデータもあり、コロナはむしろ「追い風」になっている面もあるのです。

しかし買い手側もただチャンスと見るだけでなく、コロナ後の動向を見据えたうえでの路線転換が求められています。

幅広い業種に多大なダメージを与えている今回のパンデミックですが、そこにはかなりの温度差が見られます。

壊滅的なダメージを受けている業種もあればむしろ業績がアップしている業種もある。

こうした状況の中でコロナ後に市場がどう変化していくのか、冷静に見据えながら買収する企業・事業を検討していく必要があるからです。

コロナ後における買い手の課題

M&Aのプランを再検討しつつ積極的に展開していく。

これが買い手側から見たアメリカのM&A市場の現状と言えるでしょう。

そして再検討にどれぐらい時間がかかるか・これは現在のパンデミックがこれからどれだけ続くのか、収束後の市場の回復も見越した判断となります。

つまりあまりモタモタしていると収束後の市場の急激な回復に間に合わなくなる、というわけです。

現状では3~6ヶ月程度を見越して再検討を行い積極的なM&Aに出る予定の企業が多いと言われています。

これから数ヶ月、コロナの状況を見据えつつM&A市場がどう動いていくかがアメリカのビジネスシーンの今後を大きく左右することになるのかもしれません。

アメリカ進出をもっと簡単に…「ターンキーM&A」

今も人口増加を続けるアメリカ市場は大変魅力的。日本からのアメリカ企業M&Aも加速を続けています。

しかし国際間の取引には国内では想像できないようなリスクも存在するため、大きなハードルを感じている企業も少なくありません。「ターンキーM&A」は、そんな国際間ギャップを低減し日本企業のアメリカ進出をより身近なものとします。

海外進出時の異文化リスク、人材リスク、継承リスクなど様々な問題を低減します。
今後の事業戦略の選択肢のひとつとしてお留め置きください。