アメリカの製造業界への進出について

アメリカの製造業界への進出に際してその特徴や障壁を解説します。

アメリカの製造業は鉄鋼などの伝統的な産業から先端技術を用いた製品へとシフトしています。

日本企業がM&Aによって進出するには、雇用コストなどのリスクもありますが、高い技術と開発力を生かせる環境がありますので、大きなメリットが存在します。

アメリカの製造業市場の規模と特徴

アメリカの経済を長年引っ張ってきた産業の代表は製造業です。

強い開発力と貿易力の強さを背景にして、工業原材料や自動車関連品目を中心にして世界トップクラスの市場規模を維持してきました。

しかし、エネルギー戦略の転換や中国の台頭、リーマンショックなどの影響によって、アメリカの製造業の構造は変化してきました。

もちろん、市場規模が世界トップクラスにあることには変わりがありませんが、工場拠点が海外に移転する動きが加速していき、アメリカ国内における工場生産が急速に減っています。

また、従来型の製造業ではなく、サービス製造とも呼ばれる新しいタイプの産業に移行していることも大きな特徴です。

ハイテクノロジー産業化へ

その一つの特徴が、IoT製品やAI製品など、先端技術を使ったテクノロジー産業にシフトしていることです。

そのため、高いIT技術を持つ企業の進出が多くなり、製造業とIT業界の境目がなくなってきているというのも特徴と言えます。

ベンチャー企業の台頭も目覚ましいです。

テスラなどの今までの考えや技術とは違うアイディアを持つ新興企業が、一気に力を持ち大企業となれる可能性を持っているというのも、アメリカの製造業ならではの特色と言えるでしょう。

日本と異なる点

日本でも製造業の構造変化は起こっていますが、アメリカはさらにその変化が急速に進んでいます。

もちろん、今でも金属加工や鉄鋼などの伝統的な製造業も強いですが、それ以上に電子通信機器や医療機器を始めとする、先端技術を必要とする分野のシェアが高まっています。

また、航空宇宙産業やコンピューター関連の工場が多くなり、全体的なサービス製造業へのシフトが見られます。

当然、それに応じて技術者や労働者の変化も生じ、得意とする技術分野に違いが出ています。

日本は伝統的な製造業のシェアがまだ強く、いわゆる町工場の数が多い傾向が続いています。

もちろん、日本全体の製造業を支えるためには、このくらいの規模と方式の産業が必要です。

しかし、アメリカに進出するという点においては、この違いを考慮するべきです。

障壁やリスク

政治への配慮

アメリカの製造業に外資がM&Aなどの形を通じて進出するには、政治的なリスクが生じます。

もちろん、日本企業が進出するに当たっては、法律や政治的な制限が直接加えられることはそうそうありません。

しかし、国内産業を守るという方向に強くシフトする時、外資の影響力を危惧する声が挙がることは避けられません。

こうした事態を避けるためにも、現地スタッフを大量に雇用して雇用創出に貢献することや、積極的に情報共有を行うことなどが求められます。

雇用コストが高い

また、雇用コストがリスクとなることもあります。

製造業においては原材料費の他に人件費がかなりのウエイトを占めます。

そのため、いかにして人件費を下げられるかが競争力を付ける一つのポイントとなります。

しかし、アメリカは総じて人件費が高く、日本よりも割高となることがほとんどです。

そのため、雇用コストは日本国内の工場よりも高くなるという推定でプランを進めていく必要があります。

また、生産効率を上げる手法を、設備改善や生産手法自体の改善によって行っていくことも求められます。

同様に、資本コストも障壁となることがあります。

現地企業をM&Aによって買収した場合、現地投資家が入ってくることが多いです。

アメリカでは一般的に株主が高い収益率を求めてきますので、日本よりも資本コストが高くなります。

これも一つのリスクとなりえます。

もたらすベネフィット

日本に比べてアメリカは天然資源の優位性を持っています。

そのため、製品によっては仕入れコストを下げられる業務を行うことによって、より競争力の高い企業へと成長するよう助けられます。

もちろん、高いコストがかかるのは事実ですが、それ以上のベネフィットを得られる可能性が大きいのです。

また、新製品開発の点でスピーディーにすべてを進められるというのも、製造業においてはベネフィットとなります。

基礎研究に優れたスタッフを集められるというだけでなく、実験や検証ができる場が多いからです。

また、それぞれの分野に応じた許認可や公的な試験も、ほとんどのジャンルで日本よりも速く進んでいきます。

さらには、良い商品だという見込みがあれば、資金がすぐに集まりやすいというのもアメリカならではのメリットです。

ベンチャー企業であっても、M&Aによって進出し、新しいアイディアを持つ製品を世界を舞台に送り出すには絶好の環境が整えっていると言えます。

今後の展望

日本は半導体などの閉鎖された市場において強みを持っています。

さらに、IoTやAIについても高い技術を持っています。

その技術とアイディアを生かせる場として、ベンチャー企業などがアメリカに進出して商品化したり、事業拡大したりするのに適しています。

積極的にこうした行動に出る企業が増えていくことが、今後期待されているのです。

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