リーマンショック時の対応から考えるコロナ後の世界

2008年にアメリカでおこったリーマンショックは、世界中に大きな影響を与えました。

回復対策としては公的資金の投入や金利引き上げ、また自由貿易の強化やコスト削減などが行われました。

果たしてこれらの効果と実際の回復の経緯はどうだったのでしょうか?

経済はどのくらい打撃を受けたか

一般にリーマンショックとは、アメリカを拠点にしていた投資銀行のリーマンブラザーズが経営破綻したため、世界中の投資家が金融不安になったことを言います。

2008年にアメリカで起こったリーマンショックは、アメリカ国内の経済だけではなく、日本やヨーロッパの経済にも大きな影響をあたえました。

サブプライムローンが原因だと言われたグローバルな経済危機によって、アメリカドルは急落しました。

さらに当時のアメリカドルは世界中で多くの国の経済に大きな影響を与えていたため、世界中の経済停滞をも引き起こしてしまいました。

この金融危機が世界の経済市場に与えた影響はとても大きく、株式市場がクラッシュする事態を引き起こしました。

近年における各国の経済を支えているのは、現金ではなくクレジットです。

当時でもクレジットの流通量は、現金の10倍程度でした。リーマンショックによってクレジットが不足したため、世界中の経済が停滞してしまったのです。

回復の過程とその理由

自由貿易の推進

リーマンショックからの回復において、アメリカを始め世界各国がすすめたのは、自由貿易です。

これは経済恐慌が発生した時に行われる回復対策としては良く知られています。

例えば、世界大恐慌が起こった1929年にも、回復するための経済対策としてニューディール政策が行われ、貿易が推進されました。

リーマン後の回復対策では、貿易に対して関税をかけないという政策が取られました。

その理由は、関税がかからないことによって世界中の貿易が活性化されますし、人々の生活にとっても、モノを買いやすいという生活環境を提供できるからです。たくさんの選択肢を人々に与えることによって、経済の活性化を図りました。

コスト削減政策

コストを削減も対策の一つとして行われました。

商品のコストを削減することによって流通量を増やし、経済を回そうというのがこの政策の意図でした。

しかしこの政策は必ずしも良い結果を招きませんでした。

コストを削減するために人件費の削減を余儀なくされ、従業員の雇用が打ち切りとなるケースが増え、失業率が高くなってしまたのです。

金融機関の不良債権を国が買い取る

アメリカ政府が独自に行った国内向けの回復対策としては、金融機関が抱えている不良債権を国が買い取るという政策があります。

これは、金融機関の不良債権をこれ以上増やさないためという理由で行われたものです。

また、金融機関に公的資金を導入するという政策も合わせて行いました。

景気が悪化すると、金融機関による企業への貸し渋りや引きはがしが多くなってしまいます。

そのため、政府が金融機関に公的資金を投入することで、金融機関が企業への融資を進めやすい状況を作り出したのです。

各国の対策

アメリカで発生したリーマンショックから立ち直るために、各国ではさまざまな対策を講じました。

日本でも、上記に挙げたグローバルな政策に参加しました。

もちろん、プラスの影響だけがあったわけではありません。回復対策の中で生まれたマイナスの影響は、現在でも社会問題となっています。

例えば、コスト削減対策においては、日本ではまず非正規雇用の採用打ち切りが行われました。

人材派遣やパート、アルバイトだと、容赦なく雇用契約を打ち切られてしまう事例が増えたのです。

コスト削減の波はさらに進み、次第には正規雇用の人でも採用打ち切りされるリスクが高くなりました。

日本における終身雇用が崩壊したとか、年功序列はもう古いなんて言われ出したのは、リーマンショックによる回復対策の中で起こったものです。

さらに日本では、2010年に回復対策の一環として、包括緩和政策を導入しました。

アメリカでデフレが起こり、結果的に日本では円高となってしまったためです。

日銀は政策金利を変更し、もともと0%だった政策金利を0.1%に引き上げたのです。

これにより、物価を安定させることを目指しました。

リーマンから予想するコロナ後

収束してからの回復の速さはリーマン以上に!

特にリーマンショック時は、世界で一丸となり政策や対応がとられたという側面がありますが、2020年秋現在、新型コロナウイルスの環境下では世界は未だ分断されたままです。

しかし今後は、その垣根も少しずつですが確実に取り払われ、世界中で回復するための政策が講じられると考えられます。

具体的な政策はまだ発表されていないものの、リーマンショックからの回復における政策を参考にしながら、現在の経済状況に合わせた政策になることでしょう。

つまり収束後に対策が取られた環境下では、回復の速度は、リーマン時以上のものとなることが予想されます。

悪しき事象を過去から学ぶ必要も

ただし良くない事象も参考にしつつ受け入れなければならないのかも知れません。

企業の経営悪化を回復するために、再びコスト削減の波が押し寄せてくる可能性が強く指摘されています。

特に近年ではIT化が急ピッチで進められており、これまでは人間がしていた仕事を機械に任せることで、長期的なコスト削減が可能となっています。

勤務時間の短縮による賃金カットや、在宅勤務の推奨によるコスト削減など、私達の日常生活に影響のあるコストカットが現実として実現できるインフラが当時より整ってしまっているのです。

経済対策も人のために行うこと。経済の回復のために多くの人が犠牲になってしまっては本末転倒です。

幸いにも私たちは、歴史を教訓にすることが出来ますので、これを活かし最良の政策がとられることを期待します。

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