買収コストはできる限り抑えたいもの。

そこで用いたいのが「分割払い」の交渉です。

日本でのM&Aでは馴染みが少ないですが、アメリカではある程度一般的な方法です。
当社でも積極的に交渉に取り入れております。

※これに「業績指標等による変動報酬」を付加した「アーンアウト(Earn Out)」という条項は、特にアメリカのベンチャーM&Aなどに多く用いられています。

アーンアウト(Earn Out)

M&Aにおける対価の調整方法の一つであり、クロージング時における対価支払に加え、クロージング時から一定期間内に、対象会社の業績指標等の目標の達成度合い等に応じて追加的な対価を支払う仕組みをいう。

少ない予算で大きな取引

例えば、買収価格100万ドルの案件で、頭金25万ドル、以降1年ごとに25万ドル×3年間の計4分割が認められたとします。

買収時に要する資金は25万ドルで済みます。
しかし、翌年以降毎年25万ドルづつの支払い義務が3年間残ることになります。

さてこのとき、この事業から発生する収益(配当)が、年間25万ドル以上あったらどうでしょう。
毎年の支払いは、当該譲渡企業の収益(配当)により賄うことができてしまい、結果として、必要予算は買収時の25万ドルのみで済んでしまいます。

当然、事業収益は確実なものではない為リスクが無いわけではありません。それでも、事業の見通しを考慮したうえで「分割払い」用いることは、買い手にとっておおきなメリットといえます。

実際に「分割払い」OKの前提で募集されていた事例

実際に、当社提携ブローカー経由で下記のような募集案件がありました。

Moving company(引っ越し会社)

価格$3,750,000 年間収益$675,000 保有不動産$2,000,000

It only takes 10% down to buy it. It’s a moving company making 675K a year net. The real estate is an additional 1.75 million. It’s a great business that can be ran semi absentee. It is making 675K a year after all expenses. The purchase price of the business is 2 million, with the real estate is 3.75 million total. 375K down gets you a 675K income with a long term of 18 years on the entire deal, high cash flow, and steady business.

本件は10%の頭金で購入できます。67.5万ドルの年間純益を作る引越し会社です。さらに不動産を175万ドル保有しています。これはオーナーが半分不在でも運営できる素晴らしいビジネスです。年間67.5万ドルの純益はすべての経費を支払った後のものです。ビジネスの購入価格は200万ドルで、不動産と合わせて375万ドルです。37.5万ドルの頭金で、67.5万ドルの収入、18年もの長期の歴史、高いキャッシュフローの安定したビジネスを得られるのです。

つまり、本件は頭金37.5万ドルで済み、毎年67.5万ドルの収益を買収資金残債に充てられれば単純計算で5年で支払いが終わります。

結果、予算37.5万ドルのみで375万ドルの事業を得られることになります。

※本件はあくまで案件広告を基にした単なる試算であり信憑性について保証しません。また、事業運営には収益変動のリスクがある点にご注意ください。当社では本記事に関する一切の保証ができませんことをご承知おきください。

「分割払い」の可否は、案件それぞれ売主の意向や条件交渉によって異なります。よろしければ一度ご相談ください。