経済不況時はM&Aの好機となる!その理由は?
新型コロナウイルスによる世界的な経済悪化に伴い、多くの企業の経営状況が苦しくなっています。
しかし企業によっては、不況時でもM&Aを上手く活用すれば、企業をサバイバルできたり、業務拡大や市場拡大のチャンスをつかむことも可能です。
目次
新型コロナウィルスが景気に与えた影響
新型コロナウィルスは、日本だけではなく世界中に大きなダメージを与えました。
国内の景気が低下し、国内の経済活動の実態を示すと言われている実質GDP成長率を見ても、2019年10月からは成長率が-2%前後の状態が続いています。
このまま経済悪化にストップがかからなければ、中小企業を始め、大企業でも企業の経営存続が難しくなってしまうかもしれません。
そんななか世界の企業達はM&Aをどう捉えているのでしょうか?
不況時のM&A
不況時にはM&A市場が活気づく
経済悪化で景気が良くない時には、生き残りをかけM&A売却を希望する企業が増えます。
一般的には、このときは不景気で購入側も慎重になりM&A需要も落ち込むのではと思いがちです。
しかし、不景気を生かして安値で購入-経済回復を活かすなどの戦略が可能なため、案外にも好機ととらえる企業が少なくありません。
実際にも不況が続く時期には、M&Aが活発に行われているのです。
マッチングが難しくなる
ただし、売却側だけではなくて買収側にとっても決して景気が良いわけではありませんから、どの企業を買うかという点については、とても慎重になるでしょう。
そのため、M&A市場が活気づくものの、売れる会社と売れない会社の二極化が激しくなる場合が多いのです。
不況時でも買収側にとっては、「新規市場開拓」「将来性のある技術・人材の確保」「販売ネットワークの拡大」など、様々な思惑があります。
しかしいずれの場合でも、好況時と比べて思惑が成就するに簡単なタイミングではなく、慎重な判断をせねばならないと考えるものです。
市場自体は活気づいているものの、売却側にとってはより厳しい目線でのチェックと交渉があるという難しさもあるということです。
つまり、売れ残りが大量発生する
不況時のM&Aでは、売れない企業が大量に発生する可能性が考えられます。
経営が悪化したために生き残りをかけて会社を売りに出しても、買い手が欲しいと思えるような企業でなければ、不況時には買い取ってもらうことは難しいでしょう。
仮に買い取ってもらえたとしても、足元を見られて安価でのM&Aとなってしまいます。
売手は、自社の魅力的な特徴や希少性、どんな点をアピールすればよいのかという点を慎重に練ったうえで、適切な買取企業を模索することが必要です。
だからこそ眠る「掘り出し物」
売りたくても売れない企業が増えると、その中には将来性があったり売れる可能性があるのに売れない、という企業も多くなります。
この場合、いわゆる「目利き」にとってはある意味美味しい市場となることは言うまでもありません。
将来回復の可能性のある企業の買収は、株式投資において底値買いするようなものですから。
譲渡価格はどうなる?
前項で述べたように、どんなに不況や不景気でも、魅力のある会社はM&Aに成功します。
不景気を狙って、業務拡大や市場拡大を模索する企業も多くある為、購入需要の総数そのものは大きく落ち込みません。
つまり「誰が見ても売れる会社」については、好況時と変わらない高値での取引が期待できます。
こういった 「誰が見ても売れる会社」 の実績が相場を維持する為、一見すれば、相場が急激に落ち込むということはありません。
ただしこれは、一部の良質案件による虚構であり、本質的には供給過多・需要減であることは言うまでもありません。
売却側にとって注意しなければならないのは、相場が下がっていないからと安心し、自社のポジションを見誤りいつまでたっても買い手がつかないという事態です。