ラスベガスでの小型カジノ経営

皆さん、こんにちは。

先日またラスベガスに行ってきました!ミーティングのため3時間の短い滞在でした。

今回のラスベガス訪問の要件は、以前お伝えした小型カジノ(スロットショップというべきか)の売却について話を聞くことでした。

この仕事をさせて頂いていると、様々な業種の方とお会いできるので毎日楽しいです。私たちはビジネスやリーダーシップを勉強するのが好きなので、毎日趣味に没頭しているような気分です。

例えば、ラスベガスだけでなく全米において一番最初に大型ストリップクラブを始めた人物にインタビューをさせていただいたことがあります。今でこそラスベガスの大型ストリップクラブは有名ですが、当時は皆がびっくりするようなサイズ感だったようです。
(プライバシーや守秘義務の問題があるので、会社名や個人名は公表できませんが、今後機会があれば掘り下げてブログに書いてみたいと思います。)

また、ロバート・デニーロ主演の「カジノ」という映画をご存知でしょうか。その映画でジョー・ペシが演じたマフィアの弁護を担当していた弁護士にインタビューさせて頂いたこともあります。彼からは嘘のような本当の話をたくさん聞くことができました。

このようにダイナミックな方々にお会いできるチャンスをいただける今の仕事は楽しくて仕方ありません。皆さんには本当に感謝しています。本当にありがとうございました。

さて、話を小型カジノに戻します。

カジノのライセンスには様々な種類がありますが、皆さんがよく知っているカジノは、制限なしライセンスの下で運営されています。これに対して小型カジノはスロットマシン15台以下の制限付きライセンスで運営されています。この15台以下のライセンスであれば比較的取得しやすい為、ラスベガスでは約1,400の小型カジノがあります。そのほとんどがガソリンスタンドやスーパーまたはレストランやバーなどに設置されておりラスベガスならではの雰囲気を醸し出しています。

ここでは、レストランやバーに併設され地元ラスベガス住民に利用されている”タバーン”についてご紹介します。タバーンは日本でいう居酒屋・バーのようなものですが、ラスベガスのタバーンはレストランに隣接していることがほとんどで(同じ敷地内)、そのタバーン内に15台のスロットマシンが設置されています。

さて、とはいえたった15台のマシンでどれだけ稼げるのでしょうか。

私の知人が以前ゲーミング会社の社員としていくつかのタバーンの監査をしていました。その知人曰く、1週間あたりのスロットマシンへの入金が約30万ドルにもおよぶ物凄いタバーンもあるそうです。ちなみにこのタバーンの利益率は平均15%ですので、週4万5千ドルの稼いでいるとのことです。さらに本業であるレストラン事業やアルコール提供による売上がおよそ週10万ドル(粗利益率約15%)もあるというのです。

しかし上記はトップ1%の店であり、平均値では週あたりの入金が3万ドルくらいと見込まれています。粗利率15%とするとたった週4,500ドルの粗利と思われるかもしれません。しかし、ここがタバーン事業の面白い点です。

スロットマシン単独の利益率ではなく、これを集客の基盤としたレストランビジネス全体での収益性として捉えるのです。

一般に、平均的な規模のタバーンはおよそ100万~200万ドルの投資で参入でき、平均で年間20万~40万ドルの利益が想定されると言われています。(もちろん経営手腕にもよりますが、この程度の利益率のタバーンはよく見ます。)

レストラン事業で利益率20%以上というのは大分優良であると言えるでしょう。

ちなみに前述した上位1%の店舗の売上を作るには、およそ500万ドル程度初期費用がかかると言われています。レストランそのものを地元の優良店に育て上げることで、ギャンブルを楽しむ人の分母を増やすという戦略です。

さらに、小規模カジノでも、上記以上に突出した利益を上げている店もたくさんあります。それは単なる小さなスロット店として運営する店ではなく、大型カジノと同様に負けても喜んで帰ってくれる客を多く作れる店です。どれだけ負けても楽しんで帰ってまた戻ってきてくれる客の数をどれだけ増やせるかが、カジノ関連ビジネスで儲ける秘訣なのです。

何を言っているんだ?何を言っているんだ?と思われるかもしれませんが、それは現実としてあり得ていることです。

小さな店でも売上を高く維持している店は、いつもスマートで魅力的なバーテンダーが24時間体制で、また全てのお客さんを覚えていてそれぞれに最適なサービスを提供します。ここでお金を使うことを好きになってしまうようなそんな店なのです。このような戦略で、投資額が100万ドルでも、60万~70万ドルの税引き前利益を出している店が実はたくさんあるのです。

日本でもこのようなビジネスモデルはなじみ深いのではないでしょうか。銀座の人気店のママたちがラスベガスでタバーンを開いたら、大盛況になるのではなどと想像します。

いかがでしょうか?カジノと言えども徹底したカスタマーサービスを行っている店が他と差をつけるのです。そして、経営能力が売上と利益に直結していくのです。