アメリカでの不動産投資。その特徴を解説
アメリカでの不動産投資はメリットがいくつもあります。人口増加が続いていることや中古不動産の価値が維持されることなどが主な理由です。日本にはない魅力がいくつもありますので、違いをよく理解したうえで投資を検討してみるのも良いでしょう。
目次
特徴
中古住宅の割合が高い
アメリカにおける不動産投資は、日本とは幾分異なる特徴を持っています。
その一つが、中古不動産の割合が高く、高値で取引されたり価値減少が少なかったりすることです。
日本の場合は、どうしても新築した瞬間から不動産価値が下がっていく傾向があります。
しかし、アメリカではむしろ年代物の建物の方が価値が上がることすらあって、中古不動産への考え方が違うのです。実際に、日本における中古不動産の取引割合は10パーセント台に留まっているのに対して、アメリカは8割近い数字を維持しています。
高まる賃貸比率
また、世代交代による家に対する考え方が変化していることも、一つの特徴と言えます。
以前はマイホームを持ち定住するという考え方が強い状況でした。しかい、今では賃貸住宅を選ぶ人たちが増えています。そのため、不動産投資でも賃貸住宅への比率が高まっています。
日本に比べて入居率が高いことや、入れ替えが頻繁で稼働率が高いという特徴も見られます。
平均利回り
不動産投資をするに当たって確認しなければならないのが、利回りです。
アメリカは都市によって平均利回りがかなり違うので、どこに投資するかというのも重要なポイントとなります。
たとえば、南部のフロリダやテキサスなどは6パーセント台の平均利回りを出しています。一方で、ハワイなどは3パーセントを下回っています。全体的に見ると、3パーセントから5パーセントくらいというところが多い傾向にあります。
人気の高いカリフォルニアは3パーセント半ば、ニューヨークは4パーセント台というところです。
利点
アメリカの不動産投資が活発で、利点が大きいのは社会的な要素がとても大きいです。
特に人口増加が引き続き見られるというのは、不動産市場を安定したものとしています。日本のように高齢化がかなり進み、人口減少が確実な状況では不動産市場に伸び悩みが見えるのは当然です。アメリカはその点、将来的に見ても強い上昇傾向を予測できるのが大きなメリットと言えるでしょう。
また、都市や地域による差が大きいというのもある意味でメリットです。
大都市は利回りは低めで投資額が大きくなりがちですが、安定しているという強みがありまた大都市に不動産を持っているという心理的なプラス材料も持てます。少ない投資額でも高い利回りを得たいのであれば、大都市以外の地域を選ぶという選択肢もあります。
このように、手持ちの資金や運用に対する考え方によって、選択肢が多くなるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
リスク
アメリカにおける不動産投資の一つのリスクは、自然災害です。
特に南部はハリケーンや山火事による家屋の損壊や焼失の危険があります。日本よりもはるかに大きな規模でこうした災害が起きることもありますので、投資した家屋を一気に失ってしまうことも十分あり得るわけです。
また、家賃滞納のリスクもエリアによってあります。所得が低めのエリアは、投資額も低くて住みますが、どうしても家賃滞納の割合が高くなってしまいます。
また、場合によっては住居を汚くされたり壊されてしまったりすることもあります。入居率が良いというメリットとのバランスを見て判断する必要があります。
日本国内で不動産投資する場合と異なる点
アメリカで不動産投資をする場合には、直接物件を管理することが難しいです。
そのため、通常は賃貸管理会社に依頼することになります。日本の投資家向けのエージェントが存在していて、それぞれのエリアの事情に精通した管理会社を紹介してもらうといった具合に、エージェント探しからしなければならないというのが、日本国内の投資とは違うところです。
また、当然為替による収支の変動というのも、日本での投資とは異なる点です。それほど極端な変動は起こりづらいですが、それでも多額の投資をするのであれば、1パーセントの為替レートでも利益率に直結します。売買のタイミングで、為替の状況をしっかりと見る必要があります。
集合住宅の需要が大きくなっている
一口に不動産投資と言ってもいろいろな種類があります。
その中でも、アメリカでは集合住宅に対する投資が活発化しています。
その理由としては、集合住宅の不動産価格が上昇していることにあります。日本はマンションより一戸建てが好まれる傾向が根強いですが、アメリカの集合住宅市場はこの18年間で2.5倍もの上昇を見せています。また、入居率の上昇や、若い世代の集合住宅への入居が多くなっているというのもポイントです。
このように様々な投資先のなかで、集合住宅に注目し特化するというのも面白いかもしれません。