当社のマネジメントサービスの実践事例その1
皆さん、こんにちは。
今日は、私たちが実践している引継ぎサポート、現地責任者雇用、および臨時経営サポートサービスの実務内容をお話ししたいと思います。お客様の状況に応じてあらゆる組み合わせが想定されますので、下記は実務紹介バージョン1ひとつの事例としてご覧ください。
※長くなりますので2回に分けて投稿いたします。
目次
Transition Consulting 実務紹介バージョン1
背景
米国企業を買収された日本人クライアント様より、買収契約締結後に下記をリクエストいただいたケースです。
- 前オーナーからの実務引継ぎサポート
- 日本からのマネジメントシステムの構築
- 現地責任者の雇用または日本からの駐在員配置
- 現地責任者の経営者としてのトレーニング
- 現地責任者トレーニング期間中における臨時経営者サービス
引き継ぎサポート
スモールビジネスのM&Aであるため、前オーナーがビジネスのあらゆる面で個人保証をしていることが多いです。これは、光熱費、インターネット、クレジットカード、取引先クレジットなど、すべてにおいてです。そのため、買収後1~2ヶ月以内に全てを新オーナーに変更する必要があります。そして、変更した証拠を前オーナーに提出します。
アナウンスメント
企業買収後の重要なステップの一つに、買収ビジネスの関係者にどのようにして買収の事実を伝えていくかということがあります。関係者とは、クライアント、取引先、銀行、従業員など、買収された企業に関係するすべての人を指します。大企業、中堅企業のM&Aの場合、発表するだけで十分なことが多いのですが、スモールビジネスの場合は実に重要です。
特に従業員は非常にデリケートです。今回のケースでも、ただでさえ会社が買収され不安に感じているところ、その買収元は全く知らない外国企業(日本企業)なわけです。その結果、転職希望者が多く出る可能性もあります。ほとんどの場合、会社における最も重要な資産は人材です。(特にスモールビジネスではそれが顕著です。)折角の買収後に、優秀な人材が会社を去ってしまっては元も子もありません。
当社がアナウンスメントを請け負った場合、買収契約締結前にアナウンスメントの計画を立てます。なぜなら、買収前に事前に売主と交渉し引継ぎへの協力を条件化しておきたいからです。
売主は会社を売りたいがために、周囲の事情を正直に話してくれないこともあります。私たちの過去の事例でも、売主が、死に物狂いで働いてきた創業メンバーたちに何の見返りもなく売却してしまったため、その創業メンバーたちが予告なしに退職したり新オーナーに八つ当たりするなんてとんでもないこともありました。
そのため従業員へアナウンスメントを行った後の1~2週間は、もてる時間をフルに使って従業員ひとりひとりへのヒヤリングおよび啓蒙作業に行うようにしています。アナウンスメント後、買収企業の関係者間内で噂が飛び交い、それが悪い方向に向かってしまうというケースは、スモールビジネスのM&Aではよく起こることなのです。
次回に続きます。