世界のM&A市場が急拡大!その理由は?

2021年は世界的にM&A市場が急拡大しています。2020年にはかなりの下げ幅を見せていましたが、その反動として国内外におけるM&Aが多くなっているのです。こうした急拡大にはいくつかの要因がありますので、チェックしてみましょう。

2021年世界のM&A市場動向

2020年に始まった新型コロナウイルス感染症による経済ショックは、世界中に大きな影響をもたらしました。世界中のどの国においても、様々な業界における事業の縮小や収支悪化などが見られました。また、資本の内部保留化や投資の差し控えなどもあって、2020年のM&A市場は冷え込むことになります。しかし、2021年になると状況は大きく変わってきます。2020年のダメージの反動を見せるかのように、世界中で多くのM&Aがなされるようになります。

国によってはリーマンショック以降最大のM&A件数がカウントされるようになります。また、日立製作所がアメリカのIT企業を1兆円オーバーの金額で買収するなど、超巨大M&A案件も出ています。世界的にこうした動きが強く、件数の点でも動いた金額という面でも、過去と比較して活発にM&Aがなされています。

M&A市場の中でも、特にサービス業のM&Aが増えています。パンデミックの影響で、飲食や宿泊業に甚大なダメージがもたらされ、事業を縮小したり不採算部門をカットしたりするために売却をした企業が多く見られます。また、資金が余っている企業が、資本力の低下を招いたサービス業の企業を買収していったという点にも注目できます。

急拡大の主な要因

2021年にM&A市場が急拡大した要因はいくつかあります。その一つは、資本の余剰が見られるという点です。業種や企業による違いはありますが、2020年に事業拡大を手控えたことや、資金調達の拡大などがその原動力となっています。また、世界的な金融緩和がなされていたいというのも、企業の資本力を高めより積極的に事業拡大や、M&Aという形での投資に動いていった原因と見られます。全体的に、余剰資本を持つ業界もしくは企業が、資本不足となった業種に対してM&Aを行っていったという傾向が強くなっているわけです。

また、事業承継が急速に進んでいるというのも一つの要因と言えます。中小企業をメインとして、経営者の高齢化が生じていますので、事業を売却して整理する動きが広がっていったわけです。これは特に日本国内で多く生じた状況で、規模を問わず多くの企業が事業承継に伴う企業の再編や、企業そのものの売却という形で実施されています。こうした中小企業のM&A案件によって、M&A件数が多く伸びていったというのも背景として考えることができます。

もう一つの2021年の成長要因としては、海外との取引が復活してきたという点が大きいです。M&Aの内容を見ると、2020年は多くが国内におけるM&Aでした。ところが、2021年になると、国を超えてのM&Aが大きく件数を伸ばしています。やはり、グローバルリスクがあった2020年から、2021年になるとその手控え感が収まっていったということが分かります。

日本国内のM&Aの状況

2020年は、世界的な動きと同じでM&A市場は大きく縮小しました。特に、海外企業の買収、また外資企業が国内企業を買収する国際的なM&Aが減少しました。そもそも、買収に伴うやり取りをしたり、国をまたいでの移動が難しかったということがその原因となっています。その後、2021年になると年の早い段階から、海外M&A案件が増加してきます。国内におけるM&A件数も増えていきましたので、2021年1月から3月までのM&A件数は、この期間としては過去最高水準となっています。 その内容を見てみると、企業の中の不採算部門の切り離しが多く見られます。特に、中核事業を残してサブ事業を売却するという動きが出ています。やはり、新型コロナウイルス感染症の影響で、少しでも収支を悪くしている事業は早めに切っていくという動きが加速したものと見られます。

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