アメリカスモールビジネスの現状
アメリカは副業大国とも言われており、スモールビジネスが活発に行われています。
実際の現場ではどのようなビジネスが展開しているのか、それがビジネス市場全体にどのような影響を及ぼしているのかもアメリカのビジネスを知る上で重要なポイントです。
目次
副業大国アメリカ
アメリカは副業大国と言われており、じつに労働者の3人に1人がフリーランス、つまりさまざまな仕事を同時に手掛けていると言われています。
この点が「年功序列・終身雇用」を前提としていた日本との大きな違いであり、現在でも「ひとつの会社で長く務める」ことを美徳とする日本とのビジネスに対する価値観そのものの違いにもなっているのです。
さらに日本人には考えられない話ですが、アメリカでは公務員も副業が可能になっており、実際に本業とは別に副業を持っているケースも少なくありません。
このような状況から見てもアメリカではスモールビジネスが非常に活発であることが容易に想像がつくでしょう。
そうなれば新型コロナウイルスにおけるビジネスシーンへの影響も日本とは自然と異なってくることも十分に考えられます。
Covid-19のスモールビジネスへの影響
日本でも報道されているようにアメリカでは新型コロナウイルスの甚大な被害を受けています。
GDPがアメリカの歴史上最大規模の下落となったことも大きな話題となりました。
日本ではフリーランスや店舗や中小企業の経営者といったスモールビジネスに従事している人たちの間で新型コロナウイルスの被害が拡大していますが、より大きな被害を受けているはずのアメリカの現場ではどのような実態になっているのでしょうか。
政府の救済策
このコロナ下におけるアメリカのスモールビジネスの実情を知る上でひとつの目安になるのが政府がコロナ対策として導入した経済救済法です。
ここではスモールビジネスへの支援として「PPP」と呼ばれる総額37兆円(35億ドル)ものローンが含まれています。
これで経済的に厳しい状況に立たされているスモールビジネスの経営者やフリーランスを救済しようというわけです。
しかし申込みが行われた途端にあっというまに当初の予算をオーバーしてしまい国会では追加の融資についての議論が行われ、さらに33兆円(31億ドル)もの追加予算が用意されました。
これは政府の支援がまだまだスモールビジネスを行っている人たちに広く行き渡っていないことを意味しています。
それだけスモールビジネスの規模が大きく、コロナウイルスの影響で苦しめられている人が多いということなのでしょう。
スモールビジネスの中でも格差が
またスモールビジネスの経営者の間でも資金調達がうまくできている比較的「大きな」事業者と、苦戦している「小さな」事業者との間で格差が生じていることも問題視されています。
スモールビジネスやフリーランスが多いことでコロナ下においても柔軟な対応がしやすいという利点を持っている一方、このように支援がなかなか思うように行き届かないという難しい問題も現在のアメリカのビジネスシーンでは抱えているようです。