アメリカビジネスシーンでやってはいけないこと
アメリカと日本では文化や一市民としてのマナーの違いから、ビジネス慣習にも差が見られます。
日本の商慣習が通用しないことも多いので、それを理解した上で相手にあわせてビジネスを進めることがとても重要なのです。
目次
やってはいけないこと その1「愛想笑い」
アメリカと日本では文化の違いから、様々なビジネス慣習の相違が見られます。
特に対人関係についての違いは多く存在しています。
その典型的なものの一つが愛想笑いです。
日本ではとにかく相手に対して笑顔で接するということを良しとします。
そのため、相手の言っていることに対して同意できなかったり理解できなかったりしても、愛想笑いでその場を切り抜けようとする傾向が見られます。
しかし、これはアメリカだけでなく、諸外国では通用しない習慣です。
下手すると馬鹿にされていると思われてしまうことすらありますので、注意しなければなりません。
ほとんどの文化圏では、相手の言っていることが理解できなければ、分からないとはっきりと伝え説明を求めるのが普通です。
そして、自分の意見ははっきりと言い、愛想笑いをしたりはしません。
そのため、意見も言わずに愛想笑いだけをしている人は信頼できないと見なされたり、マナーのない人だと思われてしまうこともあるのです。
やってはいけないこと その2「異性への態度」
男性が取る女性に対する態度についても、日本の感覚でしてしまうと大変な問題に発展してしまうことがあります。
軽い気持ちで仕事終わりの食事に誘うなどの行為は、単に仕事上の付き合いというよりも、男女の関係としての誘いだと思われることが多いのです。
そもそも、アメリカでは同僚同士で、仕事帰りに一緒に飲んだりご飯を食べたりという習慣があまりありません。
あくまでも食事を共にするのは友人としての付き合いであるか、商談の場として考えることが多いのです。
仕事が終われば、後はプライベートの時間となりますので無理に職場内での付き合いを求めないようにしましょう。
特に異性に対する誘いや態度というのは気を付けるべき点となります。
やってはいけないこと その3「結論の引き延ばし」
曖昧な態度を取ったり、返事を長引かせるというのもアメリカの商慣習からするとすべきではありません。
日本では提案された条件などを、一度会社に持ち帰って検討してから決め、承諾する流れになっているとしても後日正式に返事をするという形を採ることが多いです。
しかし、アメリカではある程度承諾の方向に固まっているのであれば、不確実な状況でも承諾の返事をします。
複雑な事情でない限りは、商談の場でイエスノーをはっきりさせることが多いのが、ビジネス慣習として普通に行われていることです。
当然、どんな案件でも不確実な要素やリスクというのは存在しますので、とりあえずスタートしてみて、やりながらマイナス要素を排除していくという考えでビジネスを進めていくのです。
これが、スピーディーにビジネスを成功するカギともなっています。
日本の、とにかく慎重に検討し、準備を重ねてからプロジェクトを始動するという方法はほぼ通用しないので、その違いを理解しましょう。
やってはいけないこと その4「お酒の無礼講」
日本では接待にしろ、仕事仲間同士にしろ、よくお酒を飲んで盛り上がります。
そして「無礼講」という言葉を免罪符に、時にはつぶれてしまったり、人が変わるほど飲んでしまうビジネスマンの姿をよく見るものです。
しかし、これはアメリカだけでなく欧米諸国ではしてはいけないことです。
ビジネス上のことというよりも、一人の大人としてのマナーであり、飲みつぶれてしまう人は相手にされなくなってしまうことさえあります。
これには宗教的な文化も関係しています。
お酒を飲むこと自体は良しとされていますが、酩酊は一つの罪という観念を持っている人が多いため、つぶれるほど飲む人には拒否反応が出てしまうのです。
そして、アルコールを摂る量さえもコントロールできない人、抑制のできない人と見られて、人としての評価を下げる原因となるのです。
また、単純に正常な判断力をなくすほど飲むと危ないという点もあります。
アメリカは先進国ですが、日本のような治安の良さは期待できません。
スリやひったくりなどの被害に遭いやすくなりますし、強盗に襲われるリスクも高まります。
日本人が外国でIDやお金などをなくしてしまうと、面倒な事態になってしまいますので、自己管理と安全への意識はしっかりと保った方が良いでしょう。
やってはいけないこと その5「人種の話題」
アメリカにおける人種的な意識の差というのは、日本人には完全に理解しきれないことがあるほど根深いものです。
商談でも同僚同士の話でも、少しでも人種差別と受け取られかねないワードや話題は、絶対に使わないようにしましょう。
普段日本人が何気なく話しているようなことでも、相手からすると差別と取られてしまうこともありえますので、かなり意識する必要があります。
この点で、少しでも疑問に思ったり不安を感じるのであれば、信頼できる同僚に質問してみましょう。
こんなワードや話題は問題ないかと確認することができます。
企業として求人を出す時なども、人種や性別を条件として加えることは、単にマナー違反でるというだけでなく法令違反となってしまうことが多いです。
そして、そのような募集を見られてしまうと、強いバッシングに遭ったり企業としての信用がガタ落ちになってしまったりするリスクがあります。
かなり慎重に考えるべきもので、文化背景の違いから日本人には深いところを理解できないこともありますので、現地の人にアドバイスを求めながら行うようにしましょう。
やってはいけないこと その6「職務以外のサービス」
日本では美徳とされていることも海外ではむしろ敬遠されるということもあります。
例えば、割り当てられた職務以外の仕事を求めることは、アメリカでは商慣習の違いからすべきではありません。
日本では、言われなくても相手のことを考えてサービスを広げるというのは、美徳であり商売に成功するカギだと考えられています。
しかし、こうした考えはあまり欧米ではしません。
それぞれの従業員は割り当てられた職務だけを行い、それ以外のものにはあまり目を向けません。
そして、会社としても割り当てていない職務をしていないからといって責めることはしません。
「他人の仕事を奪いかねないというニュアンス」や「現在の報酬に満足していないことの意思」と解される恐れがある為、理解しないでいると失敗することになります。
またたとえ、上記のように「嫌がられる」ほどではないにしても、少なくとも日本と同様には周りは称賛してくれず、あなたにとってのストレスとなるでしょう。
ある意味ドライに割り切っている環境に合わせた方が、ストレスを抱えずに済むということです。