企業買収と金融商品投資との違い

企業買収はその殆どが「株式」の購入であり、金融商品投資と類似しています。しかしその意味は大きく異なります。

ここでは企業買収と金融商品投資との主な違いをご説明いたします。

目次

金融商品とは

株式・ファンドなどの金融商品の多くは「お金を貸し付けて運用してもらう」というものです。

つまりその価値の本質は、「運用先への債権」および 「債権に対する利息・配当の受領権利」 、言わば「書面」に対する投資であると言えます。

企業買収と金融商品の大きな違い

企業買収も、実務的には「株式」の購入ですが、全株式(または支配権のある割合の株式)を取得するという点で金融商品取引でその意味合いが異なってまいります。

全株式 (または支配権のある割合の株式) の獲得はその会社の実権を得ることを意味します。単に「その会社からの配当が得られる権利」というだけに留まらないということが大きな違いであると言えるでしょう。

つまり、 金融商品取引が、
 「債権およびその配当・利息を得られる権利」の購入
であるのに対し、企業買収は、
 「企業という現物(固定資産・取引先・人材・実績)」の購入
ということになります。

金融商品は相場の乱高下が激しい?

商品によってさまざまではありますが、金融商品は本質的には「紙(権利)」ですので、その価値は相場による変動幅が激しいものであることは想像がつきます。

相場とは人気投票です。多くの人から人気が出たものは高くなり、不人気となったものは安くなる、つまり実態価値からかけ離れてしまうという事態が多々あるのです。
(株式が一瞬にして倍になったり、ほぼ無価値になったりなど。)

そこで多くの投資家は、金融商品を取り扱うえでその投資先の運営状況や実態、将来性などを勘案し判断しますが、それでも商品によっては実態の把握がしずらく、正直何に投資しているかわからないというものも数多くあることでしょう。

その点、企業買収は前述したとおり必ず現物が見られる商品です。
価格相場にしても基本的には現物の実勢評価がベースとなりますので金融商品ほど変動することは無いでしょう。
(当然、長いスパンで考えた場合の成長・衰退はありますが。)

その意味では、どちらかというと企業買収は不動産投資に近いものがあります。

買収前のデューデリジェンスで実際に現物つまり人の流れや商品、従業員の人柄やオフィス、企業ブランド、顧客に至るまで様々な現物を確かめられることが大きな安心材料となります。

海外への投資として考えた場合

国内投資市場が冷え込んでくると、海外に目を向けたいという思いも強まります。

しかし海外への投資となると、前述した金融商品の「実態が見えない」というリスクが更に深刻になります。

上場企業株式ならまだしも、海外投資ファンドなどの金融商品となると投資先の実態がまったくわからない(でも利回りが高い)ものも多々あります。

その点、企業買収はたとえ海外であっても国内商品と同じレベルで現物を見ることが出来ます。

ただしそれはあくまで実態調査についてのレベルの話で、海外進出特有の別のリスクについてはそれぞれ検証してゆく必要があります。

海外進出のリスク・問題点

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