コロナに負けず2020年もアメリカのM&Aは好調!その理由は?
コロナ禍によってアメリカの経済は大きな打撃を受けました。
とは言え、M&Aは経済と企業を発展させるうえで引き続き有効なビジネスメソッドとみなされており、クロスボーダーM&Aも含めて堅調に推移していくと予想されています。
目次
経済が停滞する中でアメリカのM&Aは好調
新型コロナウイルスによる影響は、世界中の経済に大きな打撃を与えています。特に、欧米を中心としてロックダウンを導入した多くの国では、2020年の経済成長がマイナスになっており、消費も落ち込んでいるのが現状です。
そのため、アメリカを始めとして各国政府は積極的な経済政策を展開し、経済の再活性化を図っています。
そうした状況下にあっても、引き続き盛況なのがM&A業界です。特に、アメリカではM&Aの需要がこれからさらに大きくなっていくと予想されています。
M&Aの文化が根付いているアメリカ
アメリカではM&Aが経済界で通常のビジネスメソッドとして根付いており、敵対的買収に関しても、法律を順守してプロセスが行われるのであれば問題視されることはまずありません。
むしろ、スピーディーに新しい事業へ参入する方法として、多くの経営者から高く評価されているのです。実際、一から事業を立ち上げるよりも、すでに販売網を確立している既存の事業ネットワークを買収する方が明らかに効率的でしょう。
例えば、チェーン展開しているファストフードなどの飲食店では、同業の会社をM&Aで結び付けることにより簡単に事業規模を拡大できるという利点から、頻繁にM&Aが実施されています。
こうした「効率重視」のビジネスモデルはアメリカで1980年代から存在しており、M&Aはその需要を満たす効果的な手段として受け入れられているわけです。
M&Aは事業の多角化や事業継続などの問題を抱える会社にとって有効な解決策ともなります。
例えば、新型コロナウイルスの影響により、技術力や高いサービス力はあるものの資金繰りに悩んでおり、2020年は政府の援助で何とか乗り切っていても、2021年以降は事業の継続が困難になる見通しという会社は少なくありません。
そうした場面で、潤沢な資金力はあるものの事業の柱となるものがないという会社とM&Aで結び合わせることにより、どちらの会社にもメリットの多い結果となるわけです。
雇用の継続をサポートするという点でもM&Aを評価する声は多く、これからもその流れは継続していくと考えられています。
アメリカ国外からのM&Aの流れが続く
アメリカ国外からのアメリカ企業の買収はコロナ禍以前から頻繁に行われていました。
その背景として、際立った生産力を持つものの営業力でやや不安が残る多くの中国企業が、世界中に強固な販売網を持つアメリカ企業を取り込みたいという狙いから、積極的にM&Aを仕掛けるようになったという点が挙げられます。
新型コロナの影響後もその流れは変わらず、中国における生産力とアメリカの販売力は互いに魅力を感じているものでありこの流れは引き続いていくでしょう。
また、中国の国内消費がコロナ後も引き続き強い推移を見せているというのもポイントでしょう。そのため、中国国内における需要を取り込みたいという思惑を持つアメリカ企業とのM&Aは、これからも堅調に推移していくと考えられているのです。
日本企業の中にも、アメリカ企業を対象としたクロスボーダーM&Aを仕掛けるケースが見られてきています。
日本国内では労働力不足が深刻化しており、生産拠点を海外へ移すケースが多くなっています。また、国内における各分野の市場規模も頭打ちもしくは縮小傾向にあります。
こうした背景から、より安定的な市場であり、労働力を確保しやすいアメリカをターゲットとして事業拡大を狙っているわけです。
コロナ禍によって株式市場には豊富な資金が流入しており、日本でも平均株価はかつてないほどの上昇を見せています。この状況を活用して資金を確保し、積極的にクロスボーダーM&Aを目指すケースが増えているのです。
新しい分野の成長が著しい
EVなど新しい産業の成長が著しく、その中心となっているのがアメリカであるというのも、引き続きM&Aが堅調に推移すると予測される要因です。
実際、コロナ禍にあっても世界中から注目を集めるEVメーカーの売り上げは安定しており、株価も高騰しています。同時に、EVと他のIT技術を連動させようという流れも活発になっています。
こうした開発競争を迅速に進めるうえで、高い技術力を持つ企業を買収するM&Aは非常に有効な手段となることでしょう。
ですから、国内外の企業を対象として、アメリカでは引き続きM&Aが数多く実施されていくと考えられます。