アメリカで良いM&A案件を探すためのテクニック

日本よりもM&Aが活発に行われているアメリカでは、まさに玉石混合、良い案件も悪い案件も日本の数倍あふれています。
そのなかで適切な案件を探すとともに、M&Aにおけるテクニックを駆使することでリスク回避しましょう。
目次
アメリカ市場は案件多し、故に良いものも悪いものも
アメリカでは、中小企業から大企業まで数多くの企業がM&Aを活発に行っています。
アメリカにおけるM&A市場は年間1兆ドル以上と言われていて、日本企業の参入も珍しくありません。
アメリカにおいては、M&Aの案件が日本国内とは比較できないほど豊富です。
金融機関が積極的にM&Aにかかわるため、買収企業にとっても売却企業にとってもM&Aしやすい基盤が整備されています。
また、連邦準備制度理事会(FRB)が金利の利上げを行うなど、国自身も経済回復に向け積極的に取り組み、企業同士のM&A案件を支援する傾向にあります。
M&Aが活発な背景
アメリカでM&Aが活発に行われている背景には、M&Aに対して抵抗を持つ企業がほとんどないという点もあります。
企業統合は企業の価値や株主の利益を守るための企業戦略だ、と割り切る経営陣が多いのです。
またそうした企業で働く社員にとっても、終身雇用という制度がない国のため、統合に派閥ができて士気が下がると言ったトラブルが起こりにくいのかもしれません。
こうした背景から、アメリカ企業とのM&Aを行う海外企業は少なくありません。
最近では中国企業による買収が注目されていますが、日本企業でもアメリカ企業とのM&Aに成功した例はたくさんあります。
買収上手が成功する環境
買収企業も売却企業も豊富なアメリカでのM&Aに成功するためには、テクニックを駆使した企業選びがとても重要です。
アメリカ企業なら何でもOKというわけではありません。
むしろ市場が大きく活発だからこそ、買収側のテクニックの有無が成否を大きく分ける環境となっているのです。
例えば、統合によってどんな相乗効果があるのかという点をしっかり見極めると同時に、徹底したデューデリジェンス調査を行うことで、失敗するリスクを最小限に抑えることが可能となります。
早期に売り手サイドにアプローチングせよ
M&Aのためにアメリカ企業を探すなら、まずは徹底したリサーチを行いましょう。
アメリカに拠点を置くM&Aアドバイザーを活用するというテクニックも駆使したいものです。
そして、もしも気になる企業を見つけたら、なるべく早い段階で売却企業へアプローチすることをおすすめします。そしてある程度具体的な買収の態度を見せて早期にテーブルについてしまうことです。
その理由は、アメリカにおいてはM&Aが活発に行われており、もたもたしている間に他の買収企業がアプローチする可能性があるからです。
例えば複数の買い手が競合してしまった場合、確実に交渉は売り手側に有利なものとなります。
アプローチング後に条件化することが多いM&Aでは、売り手と買い手の立場の差がそのまま契約条件の有利不利に直結してしまうのです。
ときにはデューデリの省略も
日本国内企業のM&Aにおいては、どんな場合でも決め事に様にデューデリジェンスによって考えられるリスクを徹底的に調査する作業を行います。
しかしアメリカでのM&Aにおいては、リスクをあまり重要視しないM&Aも存在します。売却企業の状態はさまざまですので、必要ない時にも決まり事のように時間をかけていたのでは他に後れを取ってしまいます。要するに臨機応変に対応しているということです。
そうした考え方もまた、アメリカでM&Aが活発に行われている要因の一つと言えます。
ニーズが高く動きが早いアメリカM&A市場では、案件を見つけたら素早く行動することもまた、M&Aを成功させるためのテクニックと言えます。
日本でもわかりやすい例として不動産売買業者の動きを見てみましょう。彼らは不動産を有利な条件で購入することを生業としますが、当然大きな金額の買い物ですのでその査定はディーデリジェンスよろしく綿密な調査を行います。しかし時には、売り手状況と提示価格のみで判断し、ほとんど調査無しで契約をしてしまう場合もあります。これは不動産という数多の競合がひしめく業界で他社を出し抜くために「スピード感」を極限まで突き詰めた例です。
日本でのM&Aはクローズです。広く万人に案件情報がいきわたるシステムが確立されていません。
その為、他者との競合することは少なく、じっくり時間をかけて検討するということが当たり前の環境になっているのです。
しかしアメリカでのM&Aは不動産業と同様の広くオープンな環境です。良い案件は、目利きに早々に取られてしまいます。
ゆっくりじっくり検討を重ね、その間に他者にアプローチもされなかった案件を買収し、結果「海外だから買収に失敗した」と断じるのはいささか早計に思えます。
LBO・アーンアウトを活用し予算を拡大せよ
気になる案件を見つけたら速やかにアプローチしなければいけない。しかし相手は海外、どんなときでもデューデリジェンスを徹底したい。という悩みが生じます。
確かに海外M&Aにおいては、距離というハンデもあれば、文化や風習が異なるというハンデもあります。そのため、同国内のライバルよりも入念なデューデリジェンスを要し、スピードで劣ってしまいがちです。
それは、スピードで追いつこうとした場合、 デューデリジェンスが疎かになってしまうというリスクをはらんでいるということです。
そうしたリスクを伴う海外M&Aでは、レバレッジドバイアウト(LBO)やアーンアウトのテクニックを上手に活用しましょう。
LBOは、売却企業がM&A融資を調達して買収企業が連帯保証人になるという資金調達法です。
基本合意後に金融機関の調査があるほか、売却会社の資産を担保とすることで少ない手元資金で済むためその意味でのリスクは大分緩和されます。
また、アメリカの金融機関はLBOに前向きな所が多いため、資金調達しやすいという点もメリットです。
一方、アーンアウトは、M&Aの際に条件を付けて買収金を分割払いにするという手法です。
買収後の売上を条件としたり、契約外の瑕疵発覚の場合など、売買代金そのものをコントロールできるため買収企業にとってのリスクを大幅に低減できます。
アメリカでのM&Aを検討している日本企業にとっては、ぜひ検討したい手法と言えるでしょう。
リスト外の企業に直接買収打診せよ
アメリカでは、多くの企業にM&Aの概念が浸透しています。
また、企業の利益になるM&Aなら、現在は特に売却を考えているわけではない企業でも、前向きに検討してくれることが少なくありません。
もしも、買収したいと考えている企業がM&A売却希望のリストに掲載されていなくても、その企業へ直接打診してはいかがでしょうか。
売り出し中でなければ売ってもらえないということはありません。
小回りの利く現地アドバイザーに外注
アメリカでのM&Aを成功させるためには、現地を拠点に活動するアドバイザーを活用するのが効率的です。
アメリカでM&Aの実績を持つアドバイザーなら、法制度や規制について理解がありますし、企業を探すプロセスにおいても、幅広い分野や業種から探すことができます。
手続きや交渉もスムーズに進められる可能性が高くなるでしょう。
また、現地を拠点にしているアドバイザーなら、M&Aの締結後の統合プロセスにおいても、適切なアドバイスを提供してくれます。